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11.12UP

ネットショップ更新作業の遅れのお詫びと最近の仕事で思うこと

ネットショップのフルリニューアル作業が遅れております。
まだ、ご注文ボタンが設置できていない商品も多く、せっかくご注文のおもちゃを
お考え頂いたのに、ネットから注文できない場合もあり申し訳ありません。
今度のネットショップでは、本文説明ページとショッピングカートページの2つに
別れておりまして、その結び付け作業に手間取っているのです。
完成すれば「寺内定夫の2分!動画」などの動画での解説や、木のおもちゃの販売以外にも
日本の山・林業と木仕事の話なども、詳しく紹介できます。  
また、携帯ネットショップも公開中です。よろしくお願い致します。

さて、昨日今日と朝日新聞に林業に関する記事がありました。
昨日は「(寺社などの)木造文化財の再建ピンチ」と題して再建に使う国産材が
取り尽されているように解釈されそうな気がしました。

最もよく読めば理解できるのですが、斜め読みしてしまうと…やっぱり国産材が不足
しているのか、と認識してしまうかも知れませんが、それは誤解です。

日本の山には(どちらかと言えば)木が使われなさすぎて余っている状況です。

木を育てて生計を立てている林業の人たちは、とっくに伐採して市場に出したい木が
今日も売れるあてもなく、山に残されています。

昨日の朝日の記事は、樹齢300年以上のヒノキ材ですので、とても特殊な話なのです。

また気になることは、新聞などメディアや環境保護団体のイベント、企業の社会貢献PRなど
みな口を揃えて「間伐材」と言います。よくあるのが…「我が社は間伐材を使って環境に
貢献しています」等々。

もちろん「間伐材の有効利用」は深刻な話で、最善の利用法を毎日、関係者が考えています。

しかし林業の方の本音で言えば…間伐材よりも製品(本来の売るための木材)を
買って欲しいはずなんです。
極端な例えをするなら、魚を食べる時にもったいないと言って骨や皮だけ食べて
身を残しているようなものです。

先日も六本木や華やかな会場で間伐材利用=環境保護のイベントがありました。
売られている木製品は、驚くような価格です。
その利益が、正当に山や木工所に還元されていれば、これは素晴らしいことです。

ただ私は、そうした「環境貢献活動」と日本の山、木仕事の現場との温度差を
感じてならないのですが、いかがでしょうか。


8.29UP

ホームページのフルリニューアルと弊社移転のお知らせ

いつもありがとうございます!
8月末から9月中旬にかけまして、ホームページのリニューアルと
弊社の移転を行っております。
現在、ホームページは旧ページを利用した臨時ページになっておりますが
ネットご注文は引き続きお受けしておりますのでご安心ください♪
但し、9月中旬頃までは、お届けまで時間がかかることがございますので
必着のご希望納期がある場合は、ご注文のコメント入力欄に
書いておいてください。またご遠慮なくTELでお問い合わせお待ちしております。
またリニューアルに伴い、ポイントシステムも新しくなります。
現在、有効ポイントをお持ちのお客さまデータは、すべて手作業にて
新システムに移行させますので、こちらもご安心ください。
今までのホームページでご注文頂いていたお客さまには
何か違うサービスも考えて行きますので、今後ともよろしくお願い致します。

お客さまに積み木の手磨き作業や仕上げ工程をごらん頂きながら、おもちゃに触って頂ける、
工房兼ショップとして横浜市のセンター南駅前4年近く営業致しましたが、
このたび工房ショップを閉店しまして、弊社は移転することに致しました。
今後はショップとしては営業せず、おもちゃの制作およびネット通販業務に専念させて頂きます。
小さな店内で制作しながら同時に接客することが私には難しく…お客さまには惜しまれているところですが、
以前、世田谷で仕事をしていた頃の制作工房のみのスタイルに戻すことになります。
移転先は私の実家で、今回は仮の移転になります。またいずれ…落ち着いておもちゃ作りができる場所を見つけましたら、
ゆっくり移転したいと考えております。みなさまにはご面倒おかけ致しますが、これからもどうぞよろしくお願い致します。
                                                取締役 寺内 建

移転作業は、8月末〜9月初め頃に行い、両方を行き来することになりますが
その間も制作と発送業務は続けますので、ご注文は引き続きお受けしております。
9月15日からは、完全に移転先で仕事を致します。
【移転先】 9月7日からTEL、FAXも開通予定です
〒195−0056 東京都町田市広袴3−27−13
TEL 042(708)8415 FAX 042(737)3241 有限会社てらうち

TEL 045(949)5670 FAX 045(949)5671 ←9.5までこちらにご連絡ください
ホームページ www.tenohiraehon.com 「てのひらえほん」と検索ください
Eメール terauchi@tenohiraehon.com
ホームページURLとEメールアドレスは今後も変更ありません


5.20UP

林業会社・木工所・デザイン工房の3者で作ること


左写真:丹沢の山 右:諸戸(もろと)林業さんの大変な斜面での作業風景

工房ショップで1人でいる時間にご来店されたお客さまは
1人でおもちゃ作りなんて大変…とお思いになる方もいらっしゃいますが 

私は1人だけで、おもちゃを作っていないのです。

まず、毎日のように連絡を取り合うメインの職人さんがいます。
他にもいくつかの木工所、何人もの職人さんに制作をお願いしておりますが
とりあえず、いつもの職人さんに加工方法などを相談しています。
お互いに立場が異なるので、時には意見が分かれますし
仕事抜きで、飲みながら、語り合うこともあります。

私たちのおもちゃの良いところは
私たちが木工所でなく、私が職人でないところです。

木工所として仕事をしてしまうと、どうしても使いやすい材料、作りやすい加工方法で
おもちゃ作りをしてしまったでしょう。

それに手仕事ですので、木工作業は妥協してしまうことがありますが
私はデザイナーの立場から、職人さんに指摘もします。
作る手間など、気持ちは痛いほど承知していますが…
どうしても譲れないところは、きちんと話し合い、より良いおもちゃを作ってもらいます。

また、その逆もあって、木工加工の意見からデザインが変わることもあります。

さらにここ数年から、林業会社の方とも積極的に意見交換するようになっています。
これが良いおもちゃ作りの上で、理想だと考えているのです。

木を育てる林業会社と
木製品を作る木工所と
デザイン工房。

この3者で、もっともっといいおもちゃを作っていければと願っています。


3.17UP

限定制作した「町づくり」もそろそろ…



創業者・寺内定夫デザインの「町づくり」を諸戸百年檜で、20組だけ復刻しましたところ
販売価格が高かったのですが…おかげさまでほぼ完売になりそうです。

このおもちゃは、私も子どもの頃、大好きだったおもちゃで
小学生になってからも、ミニカーやプラレールなどと合わせて遊んだ記憶があります。
子どもの頃の私は工作好きでしたので、自分で作ったものとも一緒に遊ぶのも楽しかったです。

この「町づくり」の在庫状況を気にしてくださるお客さまも多く
昨日も1人の方がお問い合わせ頂きまして…

私も心配になって、残り在庫数を確かめましたら、あと1組でした。

でもまだご検討中の方もいらっしゃいますので
職人さんと相談しまして、ぎりぎり作れる数だけ追加制作することに致しました。

追加できる数は、4〜5組です。

もし、昨日お問い合わせ頂いた方がこのページをごらん頂いていらしたら
そんな状況ですので、とりあえずご安心ください♪

(追加分の仕上がりは4月になります) 


1.21UP

日本の檜(ヒノキ)の手作り人形

木蝋,手磨き
左は仕上げ前の白木の状態、右が完成品。  上右写真は、木蝋仕上げ作業。
 
先日の工房ショップで、ちょっとほほえましいことがありました♪

初めてのお客さまには、まず「あかちゃんつみき」と上の写真のお人形に
触って頂くようにしています。

説明するよりも、この2つを触ってもらえば…
私たちのおもちゃ作りの気持ちが伝わる気がするからです。

この人形の原型は、50年前に父がデザインしたものですが
ごくシンプルな中に、優しくて、赤ちゃんがとっても握りやすくて
大人だって、おだやかな気持ちにさせる形が作られています。

加工的にはかなり手間のかかる形状で、この人形1つを作るだけでも
多くの工程が必要な人形です。

だからこそ、他のメーカーがコピーしないとも言えます。

それで先日、お客さまが抱っこしていた赤ちゃんに握って欲しくて
この人形を差し出してみたら…

「あーん」とお口を開けてきたのです♪

赤ちゃんが思わず口に入れてみたくなる、丸みのある形なんだと
ほほえましくて、うれしくなりました!

このお人形、普段は補充以外のバラ売りをお受けしておりませんが
ちょうどいっぱい仕上がってきたところですので
ご希望の方には販売致しますね。

木材も百年物の上質な檜ですし、手磨きの木蝋(もくろう)仕上げなので
どうしても高くなりますが、1本(税込)740円です。

ご希望の方は、メールやお電話ください。



1.11UP

ようやく、「ひめひきだし色付き」が仕上がってきました!



今日は祝日のため定休日ですが…作業に来ています。

12月の初めの頃に、この引き出しを40年くらいずっと作ってくれている職人さんの
体調が悪くなり、仕上がり予定が半月ほど遅れていたのです。

日本の手仕事の現場はどこも同じだと思いますが、うちの職人さんも高齢の方が多く
それでもがんばって続けてくれていますが、何しろ手仕事なので
こういう時は元気になられるまで待つしかありません。

ネットでご注文頂いていたお客さまも、高島屋さんやお取り引き店のみなさまも
みなさま、事情をご理解頂いてお待ち頂き、本当に感謝しています。

それからその職人さんは、いつも通りに仕事を続けてくれていますのでホッとしました♪
今日はこの「ひめひきだし色付き」を検品、セット、箱詰め作業をするのです。

そんな今も準備中にしていたのですが、お客さまがいらしてくださいました。

さぞ、作業中で狭苦しかったと思いますが、こんなお店は他にないはずですので(笑)
工房ショップならではと、思ってくれていればいいなと思いました。

おかげさまで朝日新聞の反響も多く、いつもよりさらにお待ち頂く事もありますが
これからもどうぞ、私たちの手仕事をご支援頂ければ幸いです。



1.6UP

朝日新聞(首都圏版)夕刊から



12.30UP

今年1年も、ありがとうございました



今、今年最後の磨き作業をしています。
磨いているのは、新年の初荷で出荷するための積み木です。

今年は、諸戸さん(林業会社・諸戸林業)の檜でのおもちゃ作りが本格的になって
私の仕事の転機になった気がしています。

周りからは、そろそろ自分を売り込んで外に発言していかないと…
などと言われます。たしかに私たちのような木のおもちゃに関わる人間には
その辺りを上手に出来る方もいらっしゃいます。

でも多くの作り手は、やはり不器用で、自分たちの作ったものへの値付けでさえ
少し控えめにしてしまうような人が多いです。

私はこれからも、おもちゃデザイナーでありたいですし
職人さんたちと、いいおもちゃ作りを考え出して、いいものを仕上げていきたいです。

私たちのおもちゃは手作業なので、時間がかかるのがいつも申し訳ないのですが
本当に辛抱強くお届けをお待ちくださるお客さまには、心から感謝しています。

来年は、今年できなかったいくつかのアイデアで…
音楽家でパーカッション専攻のお母さんと木のベビー楽器を作ったり
アロマセラピストの方と赤ちゃんが握るとおだやかで、ほんのり香る木のもの。
そんなグッズにも、職人さんや諸戸さんの担当者さんなど
多くの人と協力しながら、いいものを作っていきたいと願っています。

どうぞ新年もよろしくお願い致します。



12.11UP

間伐材の話

間伐材という言葉は、以前から林野庁などがPRしたので、一般的に知られているかと思います。
よく店頭でも「間伐材を有効利用した木製品」などと言われています。

林業にとっても「間伐材」の理解が広まったことは良かったと思いますが、ただし、現実は厳しいのです。

そもそも間伐とは、木が伐採時期まで立派に育つように、林業の職人さんが無駄な枝払いをするなどして
日当たりをよくしたりする、木の手入れです。
林業とは収入になるまでに、例えば50年、80年とか、永い年月がかかる仕事です。
いつか大きい木に育てて売りたいと思い、間伐も続ける訳ですが…

今の日本の木は、伐採時期が来ていても売れる見込みがないため、伐採できないでいのです。
それでやむ無く、「間伐」を続けていることが多いのです。

さらに言うなら、間伐できているのは恵まれている林家(りんか)で
資金のない山は、すでに間伐さえできていない状況です。



10.20UP

父・寺内定夫が「おもちゃデザイン」に秘めたもの

手作り日本製の木のおもちゃ「てのひらえほん」通販

上写真は、20年近く前から品切れになっている「ひかり号」という押し車のおもちゃです。
全長400ミリ、丸太の部材は直径が110ミリもあります。

子どもがまたいで走ったり、重たい車体を力いっぱい押して遊ぶおもちゃで
これは私と兄が実際に遊んでいたものですから、もう50年以上経った、木のおもちゃです。

父がデザインしたおもちゃは、現代のように赤ちゃんの「誤飲」が一般的な知識になるずっと前から
1つのパーツでも飲み込めないサイズでの設計を心がけていましたが
他にも「どっしりした」「ゆうゆうとした」「おおらかな」といった表現をするおもちゃでした。

父が書く言葉には「大空」のイメージが多く使われていたり、「まぶしくても太陽は仰ぎ見たい」という
言葉もあるのですが、こうした父のデザインした木のおもちゃで
子育てに、大きな、包み込むような思いを与えたかったのだと思います。

この話はあまりしたことがないのですが…父の大きめなデザインの理由には
無駄なデザインは省いて、木をふんだんに使うことで、職人さんの加工の手間を最小にする気遣いがありました。
昔も今も木工の仕事は小さいところが多く、利益も少ない
そこで少しでも、職人さんも利益が出るようなデザインになったようです。


手作り日本製の木のおもちゃ「てのひらえほん」通販