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おもちゃのてらうちHOME > ネットストアTOP > 感性を育む子育てと木のおもちゃ「寺内定夫の子育てのヒント」 |
「感性を育む子育て」と木のおもちゃ |
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写真提供:moon sky |
寺内定夫が「おもちゃと子育ての関わり」、「感性を育む子育てのヒント」など、講座や自著で提言していることを、ダイジェストに紹介していきます。 |
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「いいかい、純ちゃん。 この小さなお人形はね、お前のお母さんの、 そのまたお母さんの、それがお前のおばあちゃんで そのまたお母さんの、それがお前のひいおばぁちゃんの、この私だけどね そのまたお母さんの、それがこのひいおばぁちゃんの、お母さんだけどね そのまたお母さんが、作ってくれたお人形だよ。 こんどは純ちゃんの宝ものにして、大事に遊んでおくれ」 5歳の純ちゃんが78才のひいおばあちゃんから、宝物の人形を受け取った時に聞かされた話です。 今、私の手元にあるこの古い人形は、約150年前の手作りで 母から娘に、娘から孫娘へと大事に伝え残されてきたものです。 この家系のそれぞれの娘は結婚して母になると、受け継いできた古い人形と 自分も娘のために作ったものと、幾つかの人形を我が子に渡していました。 お金では買えない家族文化の一つです。
二歳児になると、いっぱいおしゃべりをするようになります。 子どものおしゃべりは、経験の積み重ねで知恵がつき、感情が豊かになり、言葉が増えたあかしです。 けれども自分の気持ちがしっかり相手に伝わるようなおしゃべりは、ていねいに聞いてくれる人がいないと深まりません。 親が聞き上手ならば、子どもの表情や口調が細やかになり、発信の意欲も高まります。 1.子どもにほほえみかけ、話したい気持ちと穏やかに向き合います。 2.耳を澄ませて、ていねいにうなづきながら、ゆっくり聞きます。 3.話の誤りを正したりする前に、まず話したい気持ちに共感します。 4.聞きもしないで勝手におしゃべりさせるのは、厳につつしみます。 5.ユーモラスな受けとめ方や、ファンタジックな発想も誘ってみます。 6.質問のしすぎや、子どもの言葉をオウム返しをするだけの話しかけは避けます。 7.ときには子どもの話におとなの経験を重ね、思い出を語り合います。
「あわわ」は唇に手のひらを当てて、アワワとバイブレーションをかける発声で 「かいぐり かいぐり」は糸を巻くように、胸の前で両手をぐるぐると回転させます。 伝承の子育て文化には、親子や兄弟姉妹がかかわる遊びがいろいろありました。
伝承的な子育ての知恵を探っていくと 母親はわが子の人間関係のために、微笑みの表情を大切にし 父親はたくましさを育てるために、天空意識が強かったように思えます。 たとえば正月の凧揚げ、節句の鯉幟などは 子どもたちに大空を仰がせようとした生活の知恵と伝えられています。 現代の子どもは星空、山脈、梢など、遠くの景色を眺めなくなり それが視力低下の原因の一つにあげられていますが 凧揚げなどで空を仰ぎ見る姿勢は、胸をひらき気宇壮大な気分を抱かせる見事な仕掛けです。 よく父親が、子どもを抱き上げ「たかいたかい」とあやしますが、これも昔からの子育ての知恵でした。 いまでは、子どもを喜ばす遊びの一つに過ぎませんが もともとは健康を祈って、太陽や月の恩寵を受けさせようとした願いだったようです。 親がわが子を天空に向かわせようとしたのは「少年よ大志を抱け」のように 希望を持てと言っているのですが、肩車、木登り、山登りなども 同じ子育ての心から生まれた生活と考えられます。 子どもと青空や太陽を仰ぎ見るとき、どんな会話が子どもの心に残るでしょうか。
「ダメッ、そんなことしないで」 けれども新たな経験に向かうときの小さな不安を、一つ一つ取り除いてあげるのも親の役割です。 一つ叱ったら九つはこのように受けとめてあげると、自ら成長しようとする行動に自信がつきます。
心地よいものには乳児は安心して近づき、笑顔もふえます。 プラスチックの五感遊びおもちゃもありますが
「花火、花火。シュパッ、シュッシュッ、パチパチ」 リボンで字を思い出したり、枯れ葉で線香花火の様子を表現したりするのが、見立て遊びです。 ボールは転がる、転がるはおだんご……」 歌うように掛け合う尻とりのような言葉遊びですが、ものの特徴をたくさん知らないと続きません。 短い合間の小さな遊びにも、観察や認識を誘う子育ての心が宿されています。 積み木の見立て遊びは、このような何げない経験が土台になっています。
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